
先月、瀬戸内海上空より撮影した写真です。
真夏の青空に映える発達した積乱雲は、
夏の風物詩に欠くことのできない光景ですが、
その積乱雲の中や周辺に、敢えて航空機が突入することはないでしょう。
その積乱雲の中は、電光が飛び交い、雷鳴、強雨、ひょう、あられ、突風や乱気流を
発生させるので、空の「立ち入り禁止区域」なのです。
因みに、米軍基地上空、皇居上空は、飛行禁止空域です。
また、積雲や積乱雲から爆発的に吹き降ろす気流
及び、これが地表に衝突して吹き出す破壊的な気流をダウンバーストといいます。
航空機にとっては深刻で最も注目すべき気象現象です。
ダウンバーストはその水平的な広がりの大きさにより2つに分類することがあり、
広がりが4km以上をマクロバースト、4km以内をマイクロバーストと呼んでいます。
↓ 上の写真左を拡大してみました。

積雲と雄大積雲(入道雲)
綿菓子のように空にぽっかりと浮かんだ白い雲が積雲。(写真 手前の雲)
その積雲が上に発達して盛り上がっていくものを雄大積雲(入道雲)といいます。(写真 奥の雲)
↓ 一枚目の写真の中央の巨大雲を拡大してみました。

かなとこ雲(積乱雲の成熟期)
積乱雲が発達を続け対流圏と成層圏の境に達すると、上昇が妨げられ雲頂部は横に大きく広がり、
羽毛状の絹雲を雲の峰から放出します。この絹雲を特にかなとこ雲といいます。
かなとこ雲が発生しているということは、その積乱雲の活動が非常に活発であり、
地上では激しい雷雨を伴う場合が多く、
また、上空は晴れていても近辺(20キロ以内)にある積乱雲から落雷が起きる場合もあります。
積乱雲は夏に一番多いと思いがちですが、日本では冬に最も多く発生するのです。
日本海側の大雪は、この積乱雲が原因なのです。
日本海側の地方では、この積乱雲で起こる雷を「雪おろし(雪起こし)」と呼ぶそうです。
2008年8月撮影
本館サイト(高画質風景写真集)
東京風景写真 宵祭り-Digital Photo by Yoimatsuri